「東海で外壁塗装を考えていて、助成金があるなら使いたい」——そう思って調べ始めたものの、県のサイトを見ても市のサイトを見ても、どこに何があるのか分からない。そんな声をよく聞きます。
私は横浜を拠点に、塗装・シーリング・防水の現場に25年立ってきた職人です。東海の現場に毎週通っているわけではありませんが、施主さんから「うちの地域は助成金あるの?」と聞かれることが多く、全国の制度を自治体の公式情報をもとに整理してきました。この記事は、そのうち東海4県(岐阜・静岡・愛知・三重)の分をひとつにまとめたものです。
先に大事なことを言っておくと、県が主体で外壁塗装の費用を直接補助する制度は基本的になく、あるのは市町村単位の制度です。市町村に制度がなければ、国の住宅省エネ系の補助や火災保険を組み合わせる、という考え方になります。
金額や条件は年度で変わります。必ず申請前に、お住まいの自治体の公式サイトで最新情報を確認してください。
先に全体像をつかみたい方へ:
→ 外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請の流れと落とし穴を職人が解説
東海の外壁塗装は「台風・多雨」と「猛暑」の両方を見る
東海4県は太平洋側の台風・多雨(静岡・三重)と、内陸の猛暑(岐阜・愛知)が同居する地域です。三重の紀伊半島側は全国屈指の多雨地帯で、外壁より先にシーリングやベランダ防水が寿命を迎えがち。岐阜や愛知の内陸部は夏の日差しと熱で塗膜の劣化が早く、遮熱塗料の効果が出やすい地域でもあります。
施工に向くのは春(3〜5月)と秋(10〜11月)。梅雨と台風シーズン(6〜9月)は工程が止まりやすいので、春の施工なら年明け早々に、秋の施工なら夏のうちに申請を動かすのが段取りのコツです。
沿岸部(静岡・愛知・三重)は塩害も。金属部分のサビ、シーリングの劣化が内陸より早く進むので、塗装と同時にシーリングの打ち替えを検討してください。
岐阜県の外壁塗装助成金
ポイント:高山市の1500万+山岳寒冷地+空き家系制度多し
岐阜県は高山市の最大1500万円という飛び抜けた額の制度+山岳寒冷地+空き家系制度多しという特徴があります。条件さえ合えば工事費が大幅に安くなる可能性も。
岐阜県の市町村別 制度一覧
| 市町村 | 制度の特徴 |
|---|---|
| 岐阜市 | 条件付きで外壁塗装の助成金あり(公式サイトで最新確認) |
| 大垣市 | 中古住宅取得リフォーム支援事業 1/3 上限30万円(市外転入1/2 50万円) |
| 各務原市 | 外壁塗装の助成金は無し(火災保険・国制度のみ可) |
| 高山市 | まちなか定住促進事業補助金 30万〜1500万円(全国でも豪華) |
| 多治見市 | 外壁塗装単独の助成金は無し(空き家再生補助事業は使える) |
| 中津川市 | 住宅リフォーム補助 上限16万円+空き家再生リフォーム補助金 |
| 関市 | 空き家住宅条件付き 1/2 上限20万円+結婚新生活支援事業 |
岐阜県内は他にも多くの市町村に独自制度がありますが、各市町村ごとに条件と金額が大きく異なります。最新は各自治体の公式サイトでご確認を。
静岡県の外壁塗装助成金
ポイント:太平洋側で温暖・台風多発・火災保険活用カギ
静岡県は太平洋側で温暖+台風頻発+火災保険活用カギという特徴があります。外壁塗装は通年可能で寒冷地仕様は不要ですが、塩害対策の塗料選定は必要(沿岸部)。
静岡県の市町村別 制度一覧
| 市町村 | 制度の特徴 |
|---|---|
| 静岡市 | 外壁塗装単独の助成金は無し(アスベスト対策事業最大60万円など特殊枠のみ) |
| 浜松市 | 耐風改修助成事業+ハマライフ住宅取得費等助成事業費補助金 |
| 沼津市 | 空き家活用定住支援補助金(1年以上居住・使用なしの空き家対象) |
| 三島市 | 公式サイトで最新確認(空き家関連あり) |
| 富士市 | 公式サイトで最新確認 |
| 磐田市 | 公式サイトで最新確認 |
| 焼津市 | 公式サイトで最新確認 |
静岡県内は多くの市町村に独自制度がありますが、各市町村ごとに条件と金額が大きく異なります。最新は各自治体の公式サイトでご確認を。
愛知県の外壁塗装助成金
ポイント:空き家活用系で50〜100万円
愛知県の助成金で最も高額なのが「空き家活用」系。岡崎市と春日井市が代表例で、外壁塗装も対象工事に含まれます。
| 市名 | 上限金額 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 春日井市 | 上限100万円 | 空き家地域貢献活用事業補助金 |
| 岡崎市 | 上限50万円 | 空き家活用/工事費の50% |
| 大府市 | 公式で要確認 | 三世代同居・近居住宅支援 |
「うちは空き家じゃない」と諦めるのは早い
「空き家じゃないと使えないのか…」と思った方、まだ諦めないでください。空き家活用系の制度は、以下のケースで対象になる可能性があります:
- 親が他界し相続した実家を自分が住む or 親族が住む形でリノベーション
- 転勤などで一時空き家になっていた家に戻って外壁塗装
- 新たに購入した中古空き家のリノベーション
「自宅を持っている」と「空き家を活用する」は別の話。愛知県は空き家対策に予算を厚く配分しているため、該当する方は超お得な制度です。
愛知県の市町村別 制度一覧
愛知県の中で代表的な市町村の制度を整理しました。2026年4月時点の情報で、年度切り替えで内容変動の可能性あり。最新は各自治体公式サイトでご確認を。
| 市町村 | 制度の特徴 |
|---|---|
| 春日井市 | 空き家活用 上限100万円 |
| 岡崎市 | 空き家活用 工事費50%・上限50万円 |
| 大府市 | 三世代同居・近居住宅支援 |
| 瀬戸市 | 住宅リフォーム支援 |
| 半田市 | 住宅改修支援 |
| 豊橋市 | 住宅リフォーム関連 |
| 豊川市 | 住宅リフォーム助成 |
| 蒲郡市 | 住宅改修支援 |
| 西尾市 | 住宅リフォーム関連 |
| 碧南市 | 住宅改修支援 |
| 江南市 | 住宅リフォーム関連 |
| 小牧市 | 住宅改修支援 |
| 尾張旭市 | 住宅リフォーム関連 |
| 日進市 | 住宅改修支援 |
| 長久手市 | 住宅リフォーム関連 |
| 北名古屋市 | 住宅改修支援 |
| 清須市 | 住宅リフォーム助成 |
| あま市 | 住宅改修支援 |
| 愛西市 | 住宅リフォーム関連 |
| みよし市 | 住宅改修支援 |
「自分の市町村が載ってない」という方は、「お住まいの市町村名 + 住宅リフォーム 助成金」でGoogle検索すれば公式ページが見つかります。
三重県の外壁塗装助成金
ポイント:18市町村対応+三世代同居・空き家活用系制度多し+台風対策
三重県は18市町村に独自制度+三世代同居・空き家活用系制度多し+台風対策という特徴があります。各市町村ごとに「住宅リフォーム」「移住・空き家活用」「三世代同居」などのキーワードでも探してください。
三重県の市町村別 制度一覧
| 市町村 | 制度の特徴 |
|---|---|
| 津市 | 津市空き家有効活用推進事業補助金(外壁塗装・屋根塗装対象) |
| 四日市市 | 四日市市三世代同居等支援補助金(工事契約前の交付申請が必須) |
| 鈴鹿市 | 移住促進のための空き家リノベーション等補助制度(工事費30万円以上対象) |
| 松阪市 | 三世代同居・近居支援補助事業(転入日や引渡し日から6か月以内申請) |
| 桑名市 | 公式サイトで最新確認(空き家関連あり) |
| 伊勢市 | 公式サイトで最新確認 |
| 伊賀市 | 公式サイトで最新確認 |
| 名張市 | 公式サイトで最新確認 |
三重県内は18市町村に独自制度がありますが、各市町村ごとに条件と金額が大きく異なります。最新は各自治体の公式サイトでご確認を。
東海4県に共通する申請ルール
市町村の制度には、ほぼ共通して次の条件があります。
- 工事前の申請が必須。契約後・着工後に気づいても対象外になります
- 市内(町内)の業者に発注することが条件になっている制度が多い
- 予算に上限があり、年度の早い時期に受付終了することがある
- 交付決定の通知が届いてから着工。フライングは取り消しの原因になります
台風被害の修理は火災保険、それ以外の塗り替えは助成金、と分けて考えると自己負担を一番小さくできます。
申請書類の書き方や、よくある却下のパターンは総合ガイドにまとめています。
→ 外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請の流れと落とし穴を職人が解説
東海4県で業者を選ぶときに気をつけたいこと
「市内業者」の要件がある制度では、業者選びの段階で助成金が使えるかどうかが決まってしまいます。見積もりを取る前に、その業者が自治体の要件を満たしているかを確認してください。
そのうえで、必ず3社から相見積もりを取ること。助成金が出るからといって、見積もり自体が高ければ意味がありません。「助成金が使えますよ」を営業トークにして割高な契約を勧める業者も、正直、います。
→ 外壁塗装業者の選び方|職人歴25年の5業種比較と地雷10選
相見積もりを手早く集めたい方は、下請け側から見た内情もふまえて一括見積もりサイトを比較しました。
🏆 外壁塗装の一括見積もりサイトおすすめランキング|下請け職人が内情から選んだ
東海4県の外壁塗装助成金でよくある質問
Q. 県の助成金はないのですか?
県が主体で外壁塗装の費用を直接補助する制度は、基本的にありません(省エネ改修とのセットなど条件付きのものはあります)。市町村の制度か、国の住宅省エネ系の補助が中心になります。
Q. 助成金と火災保険は両方使えますか?
使えます。自然災害で壊れた部分の修理は火災保険、それ以外の塗り替えは助成金、と分けて考えるのが基本です。ただし同じ工事箇所に二重で受け取ることはできません。
Q. 台風で外壁が壊れたあとの塗装は助成金の対象になりますか?
制度によりますが、多くは「リフォーム工事」として対象になります。ただし被害箇所の修理は火災保険(風災)を先に検討したほうが、自己負担は小さくなることが多いです。
→ 火災保険で外壁・屋根を修理する申請方法|自分でできる手順を職人が解説
まとめ:東海4県の助成金は「市町村を確認→工事前に申請」がすべて
東海4県に県主体の制度はほぼなく、あるのは市町村単位の制度です。お住まいの市町村に制度があるか、業者要件は何か、受付はいつまでか——この3つを工事の契約前に確認できていれば、助成金で損をすることはありません。
「うちの市にはなさそう」という場合も、火災保険や国の制度、そして相見積もりで価格を適正化することで、結果的に助成金以上の差が出ることは珍しくありません。焦らず、順番に確認していきましょう。


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